【1日あればできる】過酷だけど超効率的なハングルの覚え方

「韓国語を勉強し始めたけどハングルですでに躓いている」という人に、ハングルの覚え方をお伝えします。

正直結構過酷な内容です。しかしそれゆえに、取り組めばあっという間にハングルを覚えられます。私は実際に1日でハングルを覚えました。前日まで読めるハングルは1文字もなかったのにですよ。

特にK-POPが好きな人は参考にしてみてください。ハングルはあなたの大好きな曲の歌詞だけで覚えられます。

ハングルを覚えるための超基本的な話

まずはハングルの成り立ちをきちんと理解しておきましょう。
「ここらへんの話は参考書ですでに勉強したよ!」という人は飛ばしてください。勉強したけど自信のない人は読んでおいてください。

ハングルは以下のように構成されています。

  • 母音
  • 子音
  • パッチム

ハングルは基本的に、母音・子音の2種類の記号から作られています。場合によってはパッチムがつくこともあります。

母音は「あの音で終わるか、いの音で終わるか、うの音で終わるか…」というのを表すものです。「かきくけこ」の音は「k+a,k+i,k+u,k+e,k+o」で構成されますよね。このうちの「a,i,u,e,o」が母音です。
子音は「かきくけこ」を例にすると「k」の部分にあたります。
パッチムはたとえば、김の「ㅁ」のように、母音と子音の下についている記号です。

ハングルはひらがなと違い、記号で音を表現できるのが特徴です。そのためそれぞれの記号の持つ音を一度覚えてしまえば、知らない単語に出くわしても「読み方がわからない」と困ることがありません。日本語だと、漢字やカタカナも読めないと文章の解読は難しいですよね。しかし韓国語は、ハングルを組み立てる記号さえ覚えればあとはどうにでもなるのです。

ハングルの母音の種類

ハングルの母音には以下のものがあります。右側のアルファベットは発音の英語表記です。

a
ya
eo
yeo
o
yo
u
yu
eu
i
ae
yae
e
ye
wa(o+a)
wae(o+ae)
oe(o+e)
wo(u+o)
we(u+e)
wi(u+i)
eui(eu+i)

「eo」や「eu」など「e」で始まる音は日本語ユーザーには馴染みがないですよね。ハングルを覚える段階ではとりあえず「eとoが混ざった音」「eとuが混ざった音」だと思っておけばOKです。実際に発音してみると「っできない!」となりますが、とりあえずまだそれでいいです。聞き取り練習をするようになれば納得できるようになりますので。

表の下の方に行くに連れて記号が複雑になっていき、身震いする人もいるかもしれませんね。しかし横の英語表記を見てもらえば、シンプルな記号の組み合わせの音だとわかると思います。実際に声に出して読んでみると「確かにそういう音になる!」となるはずです。

ハングルの子音の種類

ハングルの子音は以下のとおりです。右側のアルファベットは発音の英語表記です。

k/g
n
t/d
r
m
p/b
s
a
j
ch
k
t
p
h
kk
tt
pp
ss
zz

アルファベットが「/」で区切られているものは、左側が語頭のときの音で、右側が語中のときの音になります。
「ㄱ(k/g)」を例に見てみると、

  • 기차⇒ki cha
  • 사기⇒sa gi

となります。

表の下から5つ(ㄲ,ㄸ,ㅃ,ㅆ,ㅉ)は濃音と呼ばれるもので、発音する前に小さい「つ」を入れて発音します。

까⇒kka・っか(そっか!)

따⇒tta・った(かった!)

빠⇒ppa・っぱ(はっぱ!)

싸⇒ssa・っさ(ちっさ!)

짜⇒zza・っちゃ(めっちゃ!)

ハングルの子音にも、ひらがなの五十音順のような「カナダラ順」があります。
韓国の国民的キャラクター「뽀로로(ポロロ)」の「가나다송(カナダソング)」は、子供向けではありますが韓国語を学習中の外国人にも有用です。いつの間にかカナダラを口ずさむようになっています。音楽の力は絶大です。

母音と子音を組み立ててハングルを作る例

ここでカナダラ順の先頭で「g/k」の音を持つ子音「ㄱ」とすべての母音を組み合わせてハングルを作ってみます。

ga
gya
geo
gyeo
go
gyo
gu
gyu
geu
gi
gae
gyae
ge
gye
gwa
gwae
goe
gwo
gwe
gwi
geui

このようになります。子音を他のものに変えても同じようにハングルを作れます。

パッチムの種類

濃音の「ㄸ,ㅃ,ㅉ」を除く子音が、単体や組み合わさってパッチムになります。発音は子音の状態のものと結構異なります。
以下の表に発音の英語表記をしましたが、パッチムで発音を終えるとき、音は出しません。あくまでそのアルファベットを発音するために、口の形や喉の動き、舌の位置を整えるだけ。実際にはすべて「ッ」で終えるイメージです。耳を澄まして聞くとアルファベットがかすかに聞こえてくるような感じで発音します。

ㄱ,ㅋ,ㄲ,ㄳ,ㄺk
ㄴ,ㄵ,ㄶn
ㄷ,ㅅ,ㅈ,ㅊ,ㅌ,ㅎ,ㅆt
ㄹ,ㄼ,ㄽ,ㄾ,ㅀl
ㅁ,ㄻm
ㅂ,ㅍ,ㅄ,ㄿp
ng
パッチムの後に子音が続く場合、音はもっと多様になります。しかしややこしくなってしまうのでここでは説明を省きます。

【過酷だけど超効率的なハングルの覚え方】K-POPの歌詞を英語表記にし、再びハングルに直す

これから書くことは実際に私がやったハングルの覚え方です。冗談抜きで、前日まで自分の名前すら読み書きできなかった私が、1日でハングルを読めるようになりました。

覚え方は以下のとおりです。

  1. K-POPの歌詞をすべて英語表記にする
  2. 英語表記から再びハングルに直す
  3. 間違いがないか歌詞をチェックする

正直とても骨の折れる作業です。途中で投げ出したくなるかもしれません。しかしこれをやれば、嘘みたいにハングルを覚えられます。
朝から夜まで自由に時間を使える人なら1日、学校や仕事の合間に勉強する人なら1週間もあればできるでしょう(なるべく間隔を空けずに取り組むのが理想です)。

たとえば当時の私は、少女時代の「소원을 말해봐」の歌詞をチョイスしました。
上に載せた母音・子音・パッチム表をもとにタイトルを英語表記にすると「so won eul mal hae bwa」になります。

歌詞をすべてこんな風に英語表記にしていくのです。その後、再びハングルに直します。表を見ながらでもなるべく自力で。すべて直し終えたら、誤りがないか元の歌詞と照らし合わせてチェックします。

単語を知らないうちは「パッチムを英語表記にした後、ハングルに直せない」という問題が出てくると思います。そんなときは歌詞を見てください。チラッと。

ローマ字に慣れ親しんだ日本人なら、ハングルの英語表記は飲み込みやすいはずです。ハングルとアルファベットを行ったり来たりしているうちに、自然に形と音が身についています。

もちろんこれだけでハングルを100%マスターすることはできません。「ㄾ」みたいに、歌詞の中ではそうそうお目にかかれないパッチムもありますからね。しかしパッチムのないハングルだけでもきちんと読めていれば、後がかなり楽です。
NAVER辞書では「있다⇒이따」のように、パッチムの発音をシンプルなハングルで書いてくれています。「パッチム無しなら読める」という状態であれば、すぐに初見のパッチムの発音を理解できるというわけです。
だからとりあえず、パッチム無しハングルだけは覚えてしまいましょう。そうすればハングルは90%くらい完成です。

ハングルを覚えるとき、カタカナは使うべからず

韓国語ド初心者でやりがちなのは、ハングルの上にカタカナの読み仮名をつけることでしょうか。例に漏れず私もやっていました。
残念ながらこの方法ではハングルマスターまでの道のりは遠のきます。

というのも、日本人にはひとつの音に聞こえるものでも、韓国語では実は2つの音に分かれている場合があるからです。

  • う⇒우,으
  • え⇒에,애
  • お⇒오,어
  • よ⇒요,여
  • いぇ⇒예,얘
  • うぃ⇒위,이
  • うぇ⇒왜,외

「안녕하세요は決してアンニョンハセヨではない」ということですね。馴染みのない単語であればあるほど、カタカナで書くと間違った発音で覚えてしまいます。後でハングルを書くときに、「안뇽하세요」「앙뇽하세요」のような間違いをしやすくなります。かなり効率が悪いのです。

日本語を使いたくなる気持ちはわかりますが、ここはより複雑な音を表現できる英語を活用しましょう。カタカナで書くよりも頭を使うので、記憶にも残りやすいです。an nyeong ha se yo。

まとめ

今回はハングルの覚え方をご紹介しました。私が1日でハングルを覚えた方法は「K-POPの歌詞を英語表記にして、またハングルに直す」。

慣れないうちはめちゃくちゃ大変です。「もう嫌!う〇こ!」となります。しかしこれを乗り越えれば、あなたは次のステップへと移れるでしょう。ハングルを読めないことには単語も覚えられないし、辞書も引けませんからね。

お気に入りの曲の歌詞でモチベーションを上げて、がんばりましょう。